はじめに


 全世界の一次エネルギー供給量は化石燃料(石油、石炭およびガス)が85.1%と大きく、次いで再生可能エネルギーは12.9%を占め、原子力は2.0%程です(IPCC, 2008)。化石燃料は年々消費量が増大しており、またエネルギーを取り出す際にCO2等の温室効果ガスを排出するため、地球温暖化進行の大きな原因の一つとなっています。温暖化が進行すると気候が変化し、気象災害の増加など様々な影響が懸念されます。
 温暖化対策国際会議COP21(2015年、パリ)では、CO2排出抑制のための再生可能エネルギーへの関心が高まりました。英国等では、世界的に実用化が遅れている海洋エネルギー(波力、潮流等)に注目し、国家戦略として温暖化防止と新産業創出に熱心に取組んでいます(例えば、英国の実証フィールドEMEC参照)。
 資源の乏しい我が国にあって、海洋エネルギーはめずらしく豊富です。原子力事故後に施行(2012年)された固定価格買取り制度(FIT)により、太陽光発電、洋上風力発電等が急速に普及してきましたが、残念ながら、海洋エネルギーの研究開発は欧米に比べ著しく遅れた状況にあります。東京大学生産技術研究所 林研究室、丸山研究室では、文科省の東北復興プロジェクト(2012年〜2016年)に参加し、日本初の系統接続した波力発電(久慈市、43kW)、潮流発電(塩竈市、5kW)を開発してきました(参考HP)。本研究会では、産学官の協力のもと、実用化を目指して、スケールアップした新型海洋エネルギー発電装置(波力、潮流)の研究開発を進めていきます。

出典:IPCC. 2008. Special Report on Renewable Energy Sources and Climate Change Mitigation. (再生可能エネルギー源と気候変動の軽減に関する特別報告)
参考HP : 東北復興次世代エネルギー研究開発機構
三陸沿岸へ導入可能な波力等の海洋再生可能エネルギーの研究開発 課題1の活動報告